車から降りると、冷たくトガった空気が肺に滑り込んできた
夜明け間近の田舎の集会所が待ち合わせ場所だった。
少し遅れて到着した僕達を迎えてくれたのは、昨日知り合った
ばかりのネイキッドオーナーだった。真っ直ぐ純粋な目と
人なつっこい笑顔が印象の人である。
今日の目的は、ネイキッドにヒッチメンバーを取り付け
気球を積んだ、トレーラーを牽引する様子を取材する為である。
オーナーと一緒に居る若者達はちょっとシャイな感じだけど
これまた怖い位に真っ直ぐな視線をしている。
僕は気球に対してまったく予備知識も無く、いつも都会の
地面を這いつくばっているだけで、超非日常的なイベントなのだ。
メンツが揃ったところで、気球を上げるポイントに移動する。
その先は、ほとんど舗装のないグラベルと言うことで、
僕のネイキッドは、置いてオーナーの車での移動である
移動の間、オーナーから気球の話を色々伺ってると
なんだか、子供に戻った様にドキドキしてきた。空も白む頃目的地に到着。まず普通の風船にガスを詰め、誰かの合図で浮遊し始める。その日の風を調べているのだ。
みんな無言で、ちいさな風船が風任せに浮かんでいくのを視線で追いかける。ゆっくり、ゆっくり、フワフワ、フワフワ。みんなの顔が徐々に天を向いて、、、
そしてまた誰かの合図で、次のポイントへ移動。ガタゴト悪路を4WDのネイキッドが走ってゆく。トルクもたっぷりなので、なんのストレスも無く、、、。
僕は内心「こういうのもアリだな!オフロードも楽しい!」ちょっと得した気分だった。さていよいよ気球を上げるポイントに到着。クルー達にとっては日常。
あっと言う間に、スタンバイ。気球ってシンプルだから意外と簡単に準備できてしまうのだ。あるクルーはバスケットに乗ってバーナーのテスト。そして
あるクルーは球皮を広げる。大体の準備が整ったらまずは気球の中に、めちゃくちゃパワフルな扇風機を使って空気を送り込む。女子クルー2人が必死でその風圧
に耐えながら気球の口を広げている。すると少しずつ地面に広げた球皮が脈動を始めて、まるで何かが生まれてくるかの様に膨らみはじめた。「すんげーデカイ!」
僕は思わず口にしてしまった。そして空気が満ちる頃、いよいよバーナーでその空気を暖める。そのバーナーの火力はべらぼうで、離れている僕にも確実に熱気が
伝わって来た。大きく横たわった気球は熱せられ徐々に立ち上がってゆく、なんだかすごく感動した。完全に立ち上がった球皮はここでやっと僕達のイメージする
「気球」のスタイルになった、慌ただしくクルー達がバスケットに駆け寄っていよいよフライトの始まりだ。ネイキッドのオーナーも気球に乗り込む為
僕がネイキッドを運転して、気球を追いかける。安全に回収するため地上クルーも大切な仕事である。みんなで無事を祈っていよいよ離陸である。
バーナーを2,3回大きく焚くといとも簡単にバスケットが地上から離れてゆく、、、、これまた感動!手を振って見送った後、しばらくその場で気球の行方を
追う。気球は上下のコントロールしか出来なく方向はまさに風まかせ。上下しながら進みたい方向の風を捕まえて、意図した方向に進むのである。
地上クルーは気球の進む方向を読んで、先回りしなければならなく、これもまたかなりの経験と知識が必要だ、一人の合図でいよいよ追跡のスタートだ。
今度は僕がネイキッドを運転してグラベルを走る。これはマジで楽しい!峠を攻めるのも楽しいケド、砂埃をあげてゴトゴト走るのもまた格別だ。
ウインドウから気球を見てると「こんな時サンルーフかキャンバストプがあればな〜」って真剣に思ってしまった。クルー達は大体の見当をつけて車を停めた
僕は初めての経験で、ちゃんと到着するのか心配だったけど、慣れたクルーた達はなんともリラックスして、はしゃいでいる、、、「そうか、僕にとって空は
非日常だけど、彼らにとってはまったくリアルな世界なんだ、、、」この時初めて言葉で知ってる空を、現実に存在する「空」に感じる事が出来た。
その後、無事到着した気球は再度離陸。僕もクルーとして手伝わせてもらった、、。すっかり気球の魅力に取り付かれた様である。
今回僕は飛べなかったけど、とても思い出深い一日になった。今度は絶対飛ぶぞ。そして「空」五感で味わうんだ!協力してくれたみなさん本当にありがとう!
必ずまた、遊びに行きます。_____________________________写真館へGO!_________________________________________________